2008.05.03

高透明アクリル・ペレット(Acrylic-Resin)

 透明エポキシ樹脂に石などを埋没させてキャストするのですが、埋没材に適当な隙間を作ると透過光が増えて明るく透明感のある製品になります。偶然、近所で高透明アクリルのペレットを入手したので採用しました。

 作業開始前に使いやすいように小型のタッパーに小分けして準備しています。まとわりつくので服などから発生する静電気に注意します。

 今回はシリコーンの型で高透明エポキシをキャストします。

 ある程度ペレットを入れてからエポキシを入れると始めから沈んでくれますが、気泡を巻き込むことがあるので注意します。エポキシを先に入れるとペレットが沈みにくいです。

 順次、埋没させたい結晶やガラスなどを投入します。当然バランスが重要ですが色の濃い物は投入量を少なめにするのがコツです。

 今回はペリドットの結晶を入れてます。明るい黄緑色から連想できないのですが、量が多くなると意外と暗くなります。

 エポキシを足す前にペレットを中心部から補充します。なるべく彩りになる結晶などをキャストの外側に分散させて中心部分は透明になるように制御します。

 色の濃いスピネルなどは重なり合うと暗くなります。

 さらに結晶とペレットを投入しますが、加減を見ながらエポキシを足してください。

 大きな石の場合は配置に合わせてペレットを補充しますが、特に必要がない場合は補充を最小限にします。特にオパールは透明感が重要なので・・・

 ここまで投入してからエポキシを注いでもあまり問題は発生しませんが、樹脂の流動性が悪い時は多少温めて流れやすくします。

 温めるとエポキシから気泡も抜けて作業が楽ですが、加熱をやり過ぎると可使時間も短くなりますので注意が必要です。

 予定量までエポキシ樹脂を注いで硬化させます。冬場はなかなか硬化しませんが、ファンヒーターの風が当たる位置に置いておくと夏よりも早まります。

 型が熱に弱い場合は保温が出来ませんが、1m程度離れても十分に温まります。

 私の製品ではスタンダードな円錐形のアクセサリーパーツです。円錐は気泡が抜けやすくて一番安定した形状です。ペンジュラムなどは大変です。

 以前からディーラーさんに情報をいただいていたのですが適当な樹脂が手に入らず、キャストするエポキシ樹脂で細々と細かい樹脂片を作って使用していました。当然、生産性は良くなく量産の壁になっていました。

 ペレットの境界が見える場合があるのですが、エポキシ樹脂同士でも境界の解決は難しいです。いまのところ境界線が気にならない程度なので継続して採用しています。

 明るく色が映える仕上がりは代え難いのです...

(c)hiros