2006.04.30(2006.05.07追記)

クリアーキャスト その2

 前回はポリウレタンでの失敗を取り上げましたが、エポキシ系のDevcon ETも入荷したので試しました。結果は良好ですので、そのまま製品化可能な仕上がりでした。

 このエポキシ製品のオススメ度を最初に書くと「使い方によってはオススメです」。

 こちらは製品になります。アイ・ティー・ダブリュー・インダストリー(株)の「Devcon ET」です。コスト的には従来よりも少し高めです。
 色々とキャストしましたが、埋め込む石に左右されることもなく仕上がりも良好です。
 ポリウレタンを使用した物と並べてみました。写真手前左がエポキシ、右がポリウレタン、奥はポリウレタンで発泡がひどい物です。

 手前右のサンプルはポリウレタンでキャスト後、表面の修正処理をポリエステルで行い改善した物です。処理無しではここまで綺麗に見えません。エポキシは当然無処理で綺麗です。

 ポリエステルでキャストした物と比較します。右がポリエステルになります。

 明らかに透明度と地色の違いが影響して製品全体の出来を左右しています。

 平らな物ではなくて円筒状の型も試します。エポキシ系は硬化熱で高温になるので厚みのある品物は数回に分けて注型するように解説があります。ところが、この製品は厚目であっても大きな型に注型しても問題が発生しませんでした。
 ポリウレタンを使用した物とエポキシを使用した物を並べました。内包した原石は同グレードなのですが、気のせいか?透明感だけではなく明るさも違うみたいです。
 型の形状が埋め込む石をある程度選ぶようです。透明度が低い石は密度を低くキャストした方が明るく仕上がります。筒状やドロップ状の型の場合はキャストの工程を増やしたりすると改善できそうです。
 早速、大型のキャストです。発泡もなく綺麗に仕上がっています。内包しているのはメキシコ・オパールです。遊色も楽しめるほどキャストが透明です。

 この製品は硬化時間が数時間は最低必要ですが、可使時間が長くて注型や脱泡が気長にやれます。もともと、攪拌や注型する際に気泡を巻き込みにくいので、脱泡は細かい隙間に残った空気を押し出す程度です。減圧すると容易に脱泡できますので心配ないです。

 最初から採用したかったです・・・

(c)hiros