2008.10.26
エメラルドでテスト |
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以前から試しているのですが、エメラルドなどへ樹脂を浸透させるテストです。今回は作業時間に余裕のあるアクリル樹脂を使用できるので、結果を期待したいところです。アクリルの別作業に合わせて実験です。 |
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油を落とすために、原石を洗剤で良く洗います。浸け置きにしてからブラシで洗い、何度もすすぎを行います。浸け置きしていると浸透した油が浮かんできます。写真は乾燥させた状態です。 |
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表面に樹脂を隅々まで塗布します。その後に減圧と開放を繰り返します。写真は減圧直前の状態です。減圧すると目に見えないクラックなどから空気が出てきて泡立ちます。泡が落ち着いたら開放して大気圧にすると、周囲の樹脂がクラックに吸い込まれ浸透します。 |
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浸透処理をしたばかりのエメラルド原石。この段階で油が浸透していた状態と同じ見栄えになります。 |
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硬化処理が完了した原石。硬化前と違って艶々しています。左側の原石は補強を兼ねているので、原石全体に樹脂を塗布して補強されています。 |
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使用した原石でも色の明るい方は母岩のカルサイトが脆くて、置いておくだけでも粒が落ちるくらいでした。しかも水溶成分がエメラルドの結晶部分に析出してしまうので、このままディスプレイするのも辛い感じでした。 作業で注意することは、 1)汚れ・油分を洗浄する 2)乾燥をしっかりとする 3)樹脂の浸透を気長にやる 4)表面に余った樹脂はきちんと拭き取る 今回、4番目の拭き取りを徹底しなかった部分が残り、艶が出すぎてしまいました。拭き取りをする時はベタつくので「早く済ませたい」と思ってしまい、作業が雑になってしまいました。結果としてはきれいな標本になったのですが、不自然な見栄えになった気がします。次回は改善したいですね。 賛否がある処理ですが実際に行うのは大変なので、処理をする労力自体を否定できない気がします。問題は購入の際にトリートメントを認識できるかです。浸透処理をしないと加工できない石もあるので、何でも画一的に否定する事ではない気がします。 |
(c)hiros